誠快醫院健康講座−ゆっくり戻し呼吸筋トレーニング−

1.なぜ呼吸筋のトレーニングが健康維持に役立つのでしょう
下の図に示すように、呼吸機能は年齢とともに最も早く衰えます。それによる酸素不足はあらゆる内臓、特に取込酸素量の1/4と大量に酸素を消費する腎臓の機能低下をきたします。腎機能低下は、高血圧の他にビタミンD活性化障害によるカルシウム吸収低下をおこし、骨粗鬆症の原因となります。また低酸素は細胞内のミトコンドリアの働きを悪くし、発がん率の増加やがんの増殖促進因子として働きます。
呼吸筋トレーニングをすれば、呼吸をになう横隔膜(吸気)と腹横筋(呼気)の筋力強化でしっかりと力強い呼吸ができ、低酸素状態を解消できます。費用も全くかからず誰でも簡単にできる健康法です。
あらゆる病気からの回復促進や介護予防・老化予防はもちろん、冬と比べて7〜9%空気が膨張する夏の健康維持(熱中症予防・夏ばて対策)にも効果的といえます。

2.ゆっくり戻し呼吸筋トレーニングのやり方
以下の方法の理論的裏付けとなっているのが、オーストラリア・エディスコーワン大学の野坂和則教授が推奨するエクセントリック筋力トレーニングです。最新の実験で、筋肉を縮めながら力を出すよりも、力を保持しながら筋肉をゆっくり伸ばしたほうのトレーニング効果が高いことがわかりました。この方法は、筋力増強の他にも高脂血症の改善や心肺機能の向上効果もあることが実証されています。
誠快醫院オリジナルの「ゆっくり戻し呼吸筋トレーニング」は、この理論を呼吸筋強化に応用したものです。費用と時間のかからない健康法なので、気軽に始めましょう!

A)呼気筋トレーニング(息を吐く筋肉=主に腹横筋の筋力強化)
座位で3秒くらいかけてめいっぱいお腹を引っ込ませ、これ以上吐けない限界まで吐いて一瞬息を止めます。
このとき、両肘を胸の前で近づけ背中を丸めるように力を入れます。
続いて口をすぼめ、お腹の力が抜ける所まで6秒くらいかけゆっくりと息を吸います。
以上の動作をつらくなるまで繰り返します。
当初は1セットで十分ですが、物足らなくなってきたらもう1セット行います。

B)吸気筋トレーニング(息を吸う筋肉=横隔膜の筋力強化)
座位で3秒くらいかけて鼻から限界まで息を吸い、一瞬息を止めます。
このとき、両腕の肘を曲げて後ろに引き、胸を大きく広げて肺の上部まで息を入れます。
続いて口をすぼめ、お腹の力が抜ける所まで6秒くらいかけゆっくりと息を吐きます。
以上の動作をつらくなるまで繰り返します。
当初は1セットで十分ですが、物足らなくなってきたらもう1セット行います。

以上のトレーニング2種を入浴中などに一日以上開けて週2回行います。
例えば、呼気筋トレーニングを月曜・金曜に行い、吸気筋トレーニングを火曜・土曜に実行するなどです。

呼吸筋トレーニングの効果は、熱中症予防やカラオケで歌ったときに息が続くこと、スキューバダイビングで潜水可能時間が長くなることなどで実証されています。カラオケファンの一員である筆者も毎日ホームカラオケで気持ちよく歌っています。

2025.11.15改訂