薬より効く超簡単筋力トレーニング
- 2026.01.04
- 健康法
1.筋力を上げたい、でもつらい筋力トレーニングはしたくない
人は運動という刺激がないと筋力が衰えて歩行が遅くなり、やがては転倒による骨折の危険が高まります。また筋力低下は基礎代謝を減らして低体温にし、免疫力も低下させがんのリスクも高めます。こうした事態を防ぐには、筋力トレーニング(以下筋トレと略します)をするしか方法がありません。とはいえ、いままでの筋トレは強い負荷をかけて何十回も繰り返すつらいものでした。
最近の研究で、こうしたつらさを最小限にできるすばらしい筋トレ理論が発見されました。それは、「筋肉は短くなりながら力を出す(短縮性収縮)よりも、引き延ばされながら力を出す(伸張性収縮)の方が早く強くなる」というものです。このことは、登山で登りよりも下りで筋肉の負荷が大きく、疲れやすい(膝ががくがくしてくる)ことからも納得できます。
この理論を裏付ける研究があります。肥満で運動不足の高齢女性30名を「エレベータ昇り・階段下り=伸張性収縮」と「エレベータ下り・階段昇り=短縮性収縮」の2群に分け、週2回3ヶ月間運動してもらいました。結果は下図の通りで、階段下りの伸張性収縮群の方が明らかに筋力と骨密度、心機能の向上が見られ、同時に血圧や血中脂質の減少も起きています。更に最近の研究で、筋トレにより産生されるミオカイシンというサイトカイン(細胞間の情報伝達物質)ががん細胞の抑制効果を持つことが注目されています。極めて簡単な筋トレが、医薬品と同等以上の素晴らしい効果を上げるのです!
この理論を応用し西九州大学の中村雅俊准教授が3秒間筋トレと名づけた数種類の筋トレ方法を発表しています。筆者は中村先生の筋トレ法から「極限まで絞った2種類」を抽出し、よりつらさを減らした筋トレ法を考案しました。日曜日・水曜日など日をあけて週に2回、2種類の筋トレを辛くなるまで行うだけですので、かなり筋力が衰えた方でもできます。唯一の障害は「始めるのがおっくう」なことですが、勇気を出して最初の一歩を踏み出しましょう。三週間がんばって続けて習慣化できれば、あなたも軽々と動ける体を手に入れられます!
2.超簡単5分筋トレのやりかた
1)お辞儀スクワット
両手にダンベル代わりの500mlペットボトルを持ち、両足を肩幅ぐらいに開いて立ちます。
続いて両腕を徐々に前に下ろしながら1と数えて膝を曲げてゆっくり前屈します。このとき体重はつま先側に乗せるようにします。
続いて1、1、1、1、1とゆっくり5回数えながら徐々に前屈を強め、同時に膝を直角くらいまで曲げていきます。最後に両腕を上げながらスッと立ち上がります。
2回目以降は5回数える数字を2、3、4、5…と順に増やし、つらく感じて後が息苦しくなるまでを目安に1セットだけ行います。
もし膝痛などが起きた場合は、無理せず痛みの出る手前までにします。
2) 全身前面の筋トレ
仰向けになり、ペットボトルを持った両手をまっすぐ上に上げ、頭は枕から持ち上げ、両膝を直角に曲げて下肢を浮かせます。
続いて1、1、1、1、1とゆっくり5回数えながら少しずつ膝を伸ばし、両腕を徐々に広げ、頭も少し下げます。
床すれすれまでゆっくりと脚を下ろし、両腕も広げ、頭を枕すれすれまで下げます。2回目以降は5回数える数字を2、3、4、5…と順に増やし、辛く感じて後が息苦しくなるまでを目安に1セットだけ行います。
誰でも、どこでも、短時間でできる筋トレ法で、介護予防にも役立つので気軽に試されたらいかがでしょう。
出典:日経ヘルス2024年12月10日号を参考に鹿島田忠史が改変
2026.2.16投稿
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