正しい運動法
1)運動の目的
運動することは何のために必要なのでしょうか。一般的には、過剰なカロリーを消費するのが最大の目的と思われているようです。しかし、運動で消費できるカロリーは、例えば普通速度の歩行30分で約120Kcalとご飯の茶碗一杯分です。従って、過剰に摂取したカロリー(アルコールによるものを含む)を消費するためには非常に長時間の運動をしなくてはならず、現実的には殆ど不可能です。では運動はする必要がないかというとそうではなく、運動の最も重要な目的は心臓と肺の能力(心肺機能)を高めることすなわち血液循環機能を高めることす。心肺機能が高まると、内臓や脳の循環血液量=酸素量が常に必要なだけ確保でき、重要な臓器の機能が維持しやすくなります。
2)運動の実施法
心肺能力を高めるためには、運動は或る程度以上の強さで実施する必要があるのはだれでもお解りになるでしょう。具体的には少なくとも脈拍が100/分を越え、しかも苦しくない程度の強さにした方が効果的です。体感的には、「やや息が弾む程度」の運動をすればよいのです。時間と頻度ですが、一回当りは続けて15分以上30分までで、週に少なくとも3回から最大6回までにすることが望ましいのです。15分以下の持続時間ですと、筋肉中の貯蔵エネルギーのみで間に合ってしまい、エネルギー供給系の内臓を刺激しません。また、週に2回以下ですと運動と運動との間隔が開きすぎてしまい心肺に対する訓練効果が生まれてきません。
運動の種類は上に上げたような条件を満たせば何でもよいのです。具体的には、テニスやエアロビダンス、水泳、社交ダンス、軽いジョギング、ウオーキングなどです。この中でとりわけウオーキングは、特別な場所や道具が不要であり、運動の強さもそれほど大きくないのでどなたにも勧められます。歩くスピードや時間、フォームについては拙著がんを再発させない5つの習慣の中で、スピードについてはインターバルウオーキング、フォームについてはハンガーウオークとして説明してありますのでご覧になって下さい。
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