SPATの基礎となった操体法

 操体法は、仙台にいらした故橋本 敬三先生が民間療法の一つだった正体法を基に作り出した筋骨格系のバランス回復法です。恩師橋本敬三先生は新潟医専(現新潟大学医学部)を卒業後基礎医学の生理学教室で研究していました。臨床に転じて勤務した函館の病院で診療に限界を感じ、民間医療を研究する中で正体法に巡り会いました。翁先生(橋本敬三先生の愛称です)は、その後の診療を通じて正体法に改良を加えていきました。太平洋戦争後のシベリア抑留から帰国した翁先生は、後に操体法と呼ばれるこの治療法を医学界に広めようと懸命に努力しましたがほとんど受け入れられませんでした。ところが、昭和49年にNHKテレビが先生の診療所「温古堂」を取り上げたことをきっかけにして全国的に注目を集めるようになり、その後は治療家を中心に診療に取り入れる所が徐々に増加しています。当院では操体法を基盤として骨格矯正法を加味したSPATSoutaihou-based Postural Adjustment Technique=操体法を基盤とする骨格矯正法)で治療を行っています。

SPATの効果

 SPATは、筋骨格系の歪みが関係するあらゆる疾患に効果が期待できます。具体的には腰痛、むち打ち損傷、膝を代表とする関節の痛み、自律神経失調症、バセドウ病、アトピー性皮膚炎などです。特にむち打ち損傷や腰痛にはしばしば驚くような効果をあげることがあります。たとえば、私の著書「SPAT−超短時間骨盤矯正法」でも取り上げた7年間むち打ちで苦しんでいた若い男性は、7回のSPAT治療で治癒しました。他にも難治性の腰痛や膝痛などにも効果が見込めます。しかし、内臓疾患の影響で起きてくる痛み疾患も多々あり、そうした場合には原疾患を内科的に治療する必要があります。一寸古い資料ですが、平成11年10月に開催された総体バランス運動研究会で発表した数年間の当院治療成績を下に記します。こうした筋骨格系の疾患のみならず、がんの再発予防やバセドウ病などの内分泌疾患、うつ症状、子宮内膜症などにもSPATは効果がみられています。

SPAT治療成績

治癒

改善

一時改善・無効

腰痛
26/37(70%)
6/37(16%)
5/37(14%)
膝関節痛
3/7(43%)
4/7(57%)
0/7(0%)
むち打ち損傷
6/10(60%)
3/10(30%)
1/10(10%)

SPATの手技

 SPATの治療手順は極めて単純明快です。最初に骨格の歪みを動きの感覚で判定します(骨盤・胸椎歪み検査)。次に操体法で筋肉緊張状態のアンバランスを解消します。操体法は、対称的な運動をしてもらい、痛みのない方、気持ちよく動ける方向に向かって軽い抵抗を与えながらゆっくり動き、少しじっとしてからストンと力を抜く療法です。操体法で筋緊張のバランスが取れた後に骨格歪みを気持ちよい瞬発力で矯正します。文章で書けば簡単ですが、抵抗の強さ、動かす範囲、脱力のタイミング、脱力後のストレッチの強さ、矯正の強さ・幅・方向などで実際の治療にうまい下手があるのは事実です。SPAT治療は少なくとも数日間が効果が続きますので、治療間隔は、週1回ないし隔週程度でも十分に効果が期待できます。

SPATの治療はどこで受けられるの?

 当院でもSPAT治療を医師になる以前に柔道整復師や指圧師の免許を取得した院長自ら一回7000円(再診料2000円+操体法治療5000円)で行っています。他にも、SPATの普及団体主催の講習会でしっかり研修を受け、確実な技術を身につけた認定治療家がおられます。近隣の治療家の有無はSPAT公式ホームページ内の「SPAT実施施設」でお調べ下さい。

SPATの講習会

 当院でのSPAT講習会は、医療有資格者向けの講習を行っている操体原理研究会やトレーナー向けの講習会を実施しているスポーツフィールドの講習を修了した方が対象となります。これからSPATを身につけようとする方は、それぞれの操体原理研究会ホームページないしスポーツフィールドホームページにアクセスし、詳しい内容をお問い合わせ下さい。また、専門家向けのSPAT情報が得られるSPAT公式ホームページが開設されていますので、 SPATに興味をお持ちの方のアクセスをお待ちしています。